ウィーンにも学んだ反骨の国際政治学者中川原德仁が、欧州現代史のみならず東西冷戦構造の成立にも影響を与えたドイツ・オーストリアの政治的動向を俯瞰。欧州の強国、隣国への脅威と見なされた両国が、分裂・縮小へと追い込まれた経緯とそこからの復興を、国内政治と民衆運動・外圧と絡め独自の視点で解読する。
《第三部》ドイツ研究
Ⅰ 冷戦―危機の時代
ドイツをめぐる冷戦の起源
西ドイツの戦後復興とナショナリズム
軍事的主体の再結集
西ドイツの再軍備とデモクラシー
Ⅱ 脱冷戦へ
西ドイツ社会民主党の脱イデオロギー化
西ドイツ社会民主党政権の成立
西ドイツの東方政策転換
《第四部》 オーストリア研究
オーストリアの危機・一九二七.三八年
オーストリア併合をめぐる国際環境
〈資料註解〉オーストリア・ファシズム 他
【著者】
中川原 德仁 (なかがわら のりひと)
1932年3月1日 長崎県対馬厳原町(現・対馬市)出生。
九州大学法学部・同大学院にて政治学専攻。
1966~1987年 東京経済大学助教授・教授。
1976~1978年 ウィーン留学。
1979年 松隈姓より中川原姓へ。
1987~2002年 久留米大学法学部教授。
2002~2007年 久留米大学特任教授。
1995~2016年 西日本図書館学会会長。
現在、久留米大学名誉教授・西日本図書館学会顧問・東アジア文化研究所代表。
A5判 上製 564頁