イラク戦争後の中東情勢は、メルトダウン様相の地殻変動をきたしている。シリア内戦の混迷が拡大し、中東はどう変わっていくのか、どのような結末を見るのか。中東政治の混迷と変貌の実態に焦点をあて、中東の民主化運動の嚆矢というべき「アラブの春」から激動している中東地域について、社会的・政治的現象を構成する主な要因・要素を抽出し、その構造を究明する。
目次
第1章 世界の火薬庫といわれる中東
第2章 強権支配と国際秩序変動
第3章 視界不良の中東情勢
第4章 中東における近代の問い直し
第5章 中東社会の基底を成すイスラーム
第6章 人間と政治の倫理的破綻を克服
【特別紀行】 サウジアラビア王国 もう一つの横顔
著者 石田 裕了( いしだ ひろあき)
1945年和歌山県に生れる。名古屋大学大学院法学研究科博士前期課程(法律・政治学専攻)修了。中東地域を中心に世界52カ国の生活文化を視察し、ペンネーム得津真一郎で新聞・雑誌に紀行文や論文を発表。中東社会の政治・宗教とりわけサウジアラビアとイランに着目。研究対象は、政治学(公共政策)、国際政治学(中東政治)、法律学(訴訟手続)の3分野。日本中東学会会員。
四六判 並製 252頁