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「遠州」2021年2月号
関ヶ原以降、大坂の陣までの不安定な世情から生まれた「かぶき者」。その代表格とされたのが織田左門頼長である。茶人として有名な有楽(信長の弟)の嫡男で、自身も「道八」と号する茶人でもあった。その行状については、大坂の陣で朱具足を着けた遊女を伴って城内を巡見をしたり、大坂方の総大将への就任を望んだり、風変わりな逸話が多い。
しかし「かぶき者」左門は、単なる傍若無人の変人でもなく、街中を徘徊するならず者だったわけでもない。本書は、左門の生涯と実像に迫るべく『大坂の陣 豊臣方人物事典』(弊社刊)の筆者が、その痕跡を求めて、さまざまな史料を紐解き、関連史跡に足を運んで執筆した労作である。口絵には大坂城の絵図や左門の茶道具を掲載し、巻末には関係史料を多数収録する。
笠谷和比古氏(大阪学院大学教授)による当時の時代背景の論考「かぶき者の時代」も併載した没後四百年記念出版!
[目次]
序文 かぶき者の時代(笠谷和比古)
一 左門の父織田有楽
二 左門の兄弟姉妹
三 関ヶ原の合戦
四 左門の登場
五 かぶきの世相
六 秀頼の使節として
七 猪熊事件
八 牢人生活
九 豊臣家による牢人の登用
十 開戦への道程
十一 片桐且元の追放
十二 大坂冬の陣
十三 和睦交渉
十四 填壕毀郭
十五 大坂方からの離脱
十六 左門の晩年
十七 道八達磨
十八 左門の妻子
付章 織田道八について(宮下玄覇)
付録 署名・花押一覧
著者プロフィール
柏木輝久(かしわぎ・てるひさ)
1969年、長野県生まれ。1991年、東北大学法学部卒業。金融機関に勤務のかたわら、余暇で長年にわたり大坂の陣に関わった大坂方諸士の事跡を調査。著書に『大坂の陣豊臣方人物事典』(北川央監修 宮帯出版社 2016)
四六判・約450頁(カラー口絵16頁)・並製