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「茶の湯」第586号
「茶の湯」第519号
千利休とその時代の茶の湯について信頼できる最高の史料として高く評価されている『山上宗二記』。しかも山上宗二は、利休の弟子で堺の商人、秀吉にも仕え、当時の茶の湯の中心にいた人物だった。その宗二が弟子に伝えた茶の湯の歴史、名物の茶道具、そして多くの覚書は、まさに利休によって大成されつつある時代の茶の湯の姿を伝える貴重な証言といえよう。
本書は、二〇〇七年九月、角川学芸出版から刊行された『山上宗二記入門茶の湯秘伝書と茶人宗二』を復刊したものである。復刊に当たっては、著者の最新研究の成果を踏まえ、ほぼ全面改訂版となっている。数ある『山上宗二記』の解説書の中でも、その全貌が見渡せ、わかりやすい解説と資料性を兼ね備えた決定版を目指した。読みやすい文章と体裁に改め、多くの註を加えた第一部と、宗二の生涯と茶の湯について詳しく解説した第二部の二部構成とし、原文の翻刻も巻末に収録した。利休生誕五百年を迎えた今、本書を通して、当時の利休の茶の湯にふれてみてはどうだろう。
《目次》
第一部 新編山上宗二記
序 章 (伝授証状)
第一章 茶の湯の歴史
第二章 床飾りの名物
第三章 点前道具の名物
第四章 茶の湯覚書
第五章 『山上宗二記』の伝授
第二部 山上宗二の生涯と茶の湯
第一章 山上宗二の生涯
第二章 山上宗二の茶の湯
第三章 『山上宗二記』
『山上宗二記』原文翻刻
主要典拠文献
山上宗二 関連年表
著者プロフィール
神津朝夫(こうず あさお)
1953年、東京都生まれ。早稲田大学政経学部卒業。奨学金を得てドイツ・マンハイム大学に2年間遊学。帝塚山大学大学院人文科学研究科日本伝統文化専攻博士後期課程修了。博士(学術)。専門は文化史・茶道史。短大・大学教員を経て現在は著述業。著書に『千利休の「わび」とはなにか』『茶の湯の歴史』(角川ソフィア文庫)、『茶の湯と日本文化』『茶会記を読み解く』(淡交社)、共編著に『別冊太陽251 茶の湯』(平凡社)、『茶書古典集成第1巻 初期の和漢茶書』(淡交社)などがある。
四六判・400頁・並製