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「神社新報」令和6年7月1日号
秀吉の天下統一、家康の徳川幕府開幕という動乱の時代を天皇側の視点から提示する、今までにない画期的な研究書。
日本の文芸ルネサンスに大きく貢献
秀吉が天下統一を目指すなか、16歳で即位。聚楽第行幸、朝鮮出兵、関ヶ原合戦と近世の政治体制の転換点に若き天皇として叡慮を示す一方、名筆・画才の誉れ高く学問を奨励。神武以来の朝儀復興、文化史上不朽の業績である勅版刊行など近世日本の文芸復興に大きく貢献した業績を検証する。
【目次】
序 説 後陽成天皇とその時代(橋本政宣)
第一章 後陽成天皇と近世統一政権
豊臣政権と後陽成天皇(山口和夫)
豊臣摂関家の形成と「武家家格制」(矢部健太郎)
誠仁親王と勧修寺晴子(久保貴子)
正親町上皇と『院中御湯殿上日記』(遠藤珠紀)
太閤秀吉の「唐入り」構想と朝廷(中野 等)
関白豊臣秀次と文事策(藤田恒春)
江戸幕府の成立と朝廷(田中暁龍)
第二章 後陽成天皇時代の社会と文化
禁裏の造営と公家屋敷地の形成(岸 泰子)
皇位継承儀礼と後陽成天皇(野村 玄)
近世初期の出版と慶長勅版(柳沢昌紀)
後陽成天皇と桃山時代の美術工芸(久保智康)
後陽成天皇の書(羽田 聡)
第三章 後陽成天皇の文芸復興
後陽成天皇時代の漢詩文(堀川貴司)
後陽成天皇と和漢聯句(楊 昆鵬)
後陽成天皇と和歌(大谷俊太)
後陽成天皇時代の連歌(綿抜豊昭)
後陽成天皇と歌学(海野圭介)
〔コラム〕知の集積と共有(大山和哉)
〔コラム〕後陽成天皇歌壇寸見(川上 一)
〔コラム〕後陽成院の記憶(神作研一)
付録
後陽成天皇略系図/年譜/花押印章リスト(柳田直美)
後陽成天皇関連史料
後陽成天皇宸記翻刻(橋本政宣・遠藤珠紀)
陽明文庫所蔵 後陽成天皇宸翰翻刻(橋本政宣・遠藤珠紀)
慶長15年・16年の後陽成天皇宸翰(藤井讓治)
中和門院の消息翻刻(瀬戸 薫)
【編者プロフィール】
橋本政宣(はしもと まさのぶ)
1943年、福井県生まれ。國學院大学文学研究科日本史学専攻博士課程中退。博士(歴史学)。東京大学史料編纂所教授を経て、現在は東京大学名誉教授。舟津神社宮司。著書に『近世公家社会の研究』(吉川弘文館、2002年、第一回徳川賞受賞)など。編著・翻刻多数。
菊判・並製・648頁(カラー口絵8頁)