2024年7月刊行予定
戦国北条氏の甲冑・刀剣・武具の集大成
早雲、氏綱、氏康、氏政、氏直―五代百年にわたって関東を治めた後北条氏。武田家や上杉家などと比べてその遺存品は限られるが、残存の武器武具は奉納・贈答品ではない実戦仕様で、しかも使用痕が明瞭に残る点で大変貴重である。
本書では、国宝4点、重要文化財8点を含む、北条家と家中の甲冑・刀剣・武具を網羅。それらの遺存品を徹底的に博捜・精査して、歴史上の位置づけを探るとともに、戦国北条氏の武装の実像に迫る。鶴岡八幡宮の重宝を始めとして、カラー写真300点以上を収めた決定版。
[本書に登場する主な甲冑・刀剣・武具]
・鉄五十八間黒漆塗総覆輪筋兜
・本小札紫糸素懸威腹巻 杏葉付
・鉄錆地神号象嵌三十二間総覆輪筋兜 銘「相州住明珎義□」
・重文 鉄錆地四十二間筋巻込銀象嵌(神号)兜
・鉄錆地四十二間筋巻込唐草銀象嵌兜
・国宝 太刀 無銘「一文字」名物 号「日光一文字」、葡萄蒔絵刀箱
・重文 天文七年八月二日北条氏綱寄進の太刀「相州住綱廣作」、同「綱家作」、同「康國作」
・国宝 太刀 銘「筑州住左」名物 号「江雪左文字」、黒漆研出鮫打刀拵
・重文 刀 銘「本作長義天正十八年庚?五月三日九州日向住國廣銘打」「長尾新五郎平朝臣顕長所持天正十四年七月廿一日小田原参府之□従屋形様被下置也」
・唐草螺鈿海無鞍 銘「天文五年三月十日」「氏綱(花押)」
・軍配団扇
・北条白貝
・銅鑼
・三田綱秀開扇兜前立、三田綱秀開扇旗
・黒漆塗重藤弓
・地黄八幡旗
[著者紹介]
竹村雅夫(たけむら まさお)
1946年1月生まれ。立正大学大学院修士課程修了(近代史)。社団法人日本甲冑武具研究保存会専務理事(審査委員長)。竹村古文化研究所主宰。著書に『戦国の実戦兜』(学習研究社)、『上杉謙信・景勝と家中の武装』(宮帯出版社)、共著に『小桜韋威鎧復元調査報告書』(山梨県立博物館)、『豊臣秀吉事典』(新人物往来社)、『直江兼続の新研究』(宮帯出版社)ほか。『甲冑武具研究』をはじめ甲冑・刀装・小道具関係の論考多数。
菊判 並製 216頁(カラー口絵 132頁)