軍神の真の後継者は誰だったのか―
上杉・北条・武田の角逐、上杉一門の実態、謎多き「御館の乱」の実相に迫る
美男として名高い上杉三郎景虎。彼は、北条氏康の七男として生まれ、上杉謙信の姪を娶りその養子となった。
謙信に目をかけられ、順風満帆といえる人生を送っていた景虎であったが、その最期は悲惨だった。謙信没後、上杉家の家督継承をめぐって乱が勃発、彼は敗れて二十六歳の若さで自害したのである。これが「御館の乱」である。
「御館の乱」については、上杉謙信が後継を指名しなかったことが原因とされ、一体誰が正統な謙信の後継者であったのかということが取り沙汰されてきた。
果たして、真相は如何であったのか。
本書は、悲運の武将景虎の生涯をたどるとともに、「御館の乱」の真相、家督継承の実態を解明する。上杉景虎の初の本格評伝である。
【今福 匡のプロフィール】
1964年生まれ。
歴史雑誌に戦国時代に材を採った記事を執筆。主な著作に『前田慶次―武家文人の謎と生涯』(新紀元社)がある。
分担執筆は『戦国時代人物事典』(学研)ほか。