武野宗延(紹鴎流武野宗家家元)著
天下のわび茶人 武野紹鴎の末裔が、その生涯と利休の死の真相に迫る―
茶の湯におけるわびの思想を確立し、日本の美の礎を築いた千利休の師、武野紹鴎。
彼は如何にしてわびの世界を切り拓き、世界に誇りうる茶の湯文化を創り上げたのか。
本書は紹鴎の生きた時代とその生涯を検証して、わび思想成立の過程を探り、紹鴎のわびとは一体如何なるものなのか、その思想の真髄を究明する。
また、聖人君子とされてきた利休の実像と、その死の真相に迫り、茶の湯の真の歴史に光を当てる。
【掲載内容】
第一章 茶の湯の成立
茶の湯を学ぶにあたって
茶の湯成立の全体像
紹鴎の出自と武野家の歴史
応仁の乱終結後
京と堺の禅・茶の湯文化などの繋がり
武野家の家名の再興及び紹鴎の叙任
紹鴎の出家
紹鴎、長慶と三好氏綱との調停を計るか
江口の戦い
三好長慶の登場
紹鴎、根本に立ち戻り、常なるものの本体を悟る
第二章 茶の湯の思想
紹鴎が唱えた「一期一会」
紹鴎のさび観とは
紹鴎のわび観とは
第三章 利休のわびさび観とその賜死
利休のわびさび
茶会などを考察し、利休賜死の謎を解く
巻末史料
「紹鴎門弟への法度」
「茶の湯者覚悟十體之事」
「又十體之事」
「紹鴎袋棚記」
「紹鴎茶湯百首」
【著者について】
紹鴎流武野宗家第15代家元。
本名岡本茂延。昭和19年東京都玉川奥沢に生まれる。
昭和42年3月中央大学法学部法律学科卒業。
母武野(旧姓)文江より茶の湯を授かる。
学生時代は、他流の茶の湯を学ぶ。
昭和47年11月10日、祖母武野玉治死去に際し、一族の希望により、昭和62年11月、池袋に「武野紹鴎研究所」を創設、『武野紹鴎―茶・禅の心』(酒井書店)を上梓し関係寺院に奉納。
現在、株式会社ジェー・アール・シー岡本鑑定代表取締役、株式会社NTTビジネスアソシエ東日本不動産諸問題アドバイザー、社団法人日本不動産鑑定協会相談役(元副会長)、日本土地環境学会常務理事、武野紹鴎研究所所長。
主な著書に『茶人武野紹鴎の真髄に学ぶ幸せを呼ぶ蓄財道』(碧天舎)、『封印された女帝卑弥呼』(健友館)、『大和史空白の謎』(法研出版)、『不動産鑑定評価実務体系』(酒井書店)、『不動産鑑定評価読本』(酒井書店)など。
四六判/256頁/並製
武野紹鴎研究所発行