三池純正 著
『のぼうの城』の舞台となった武蔵国忍城は、難攻不落をもって知られる要害であった。しかし、天下人豊臣秀吉が関東に侵攻、忍城も秀吉の重臣 石田三成の大軍によって猛攻にさらされる。
その忍城城主 成田氏長の娘で、「のぼう」こと成田長親の姪にあたる女性が、本書の主人公 甲斐姫である。天下無双の美姫と評され、また武芸の達人で、忍城攻防戦でも武将顔負けの活躍ぶりが伝わる。そして同時に、その後は秀吉の側室になるという数奇な運命をたどった女性でもある。
忍城での武勇伝をはじめ、さまざまな伝説にいろどられた甲斐姫の生涯であるが、彼女についての史料は
少ない。本書は可能な限りの史料を駆使し、忍城攻防戦や甲斐姫のその後について考察する。
目 次
序 章 忍の浮城
第一章 成田の姫
第二章 秀吉の陰謀と
小田原合戦
第三章 幻の忍城水攻め
第四章 秀吉のもとへ
終 章 それからの甲斐姫
(甲斐姫伝説)
【著者について】
三池純正(みいけよしまさ)
歴史研究家。日本作家クラブ会員。戦国期の歴史の現場を精力的に踏査し、現場からの視点で歴史の定説を見直す作業をすすめている。
著書に『真説・川中島合戦』『真説・智謀の一族真田三代』『敗者から見た関ヶ原』『守りの名将・上杉景勝の戦歴』(以上、洋泉社)、『義に生きたもう一人の武将 石田三成『』真田信繁(』以上、宮帯出版社)『別冊宝島 織田信長・野望編』(共著・宝島社)、DVD に『謀叛なり!石田三成』(GPミュージアムソフト)などがある。
四六判 並製 288頁