犀星晩年の代表作、実写映画化
『蜜のあわれ』2016年4月1日(金)公開!
「魚眠洞」の名で発表した俳句から作家生活をスタートさせた犀星は、魚に対する深い思い入れがありました。晩年の代表作『蜜のあわれ』は、犀星の分身である小説家と、金魚の化身である少女との交情を、全編対話形式でつづったユニークな小説です。
2016年公開の映画では、小説家に大杉漣、少女役を二階堂ふみ、そして真木よう子、高良健吾など各世代を代表する実力派俳優の競演が実現し、魚に関する犀星のファンタジーをどのように実写化するか、注目を集めています。
その生涯に二十数篇の詩集を出版した犀星は、詩の分野でも魚をうたった作品を数多く残しています。
本詩集は「魚」「恋愛と性」「故郷と異郷」など、ジャンルごとに犀星の代表作を精選し、せつなく妖しく、しかしあくまで美しい犀星の世界観に迫ります。
目 次
第一章 魚
第二章 恋愛と性
第三章 家族
第四章 いきもの、いのち
第五章 小景異情
第六章 故郷と異郷
第七章 四季、叙景
室生 犀星(むろう さいせい)
詩人、小説家。1889年生。石川県金沢市出身。高等小学校中退後、地方裁判所に勤務するかたわら句作を始め、のちに詩作・小説に移る。上京と帰郷を繰り返しながら、1918年処女詩集『愛の詩集』出版。
代表作に詩集『抒情小曲集』、小説『性に眼覚める頃』『幼年時代』『杏っ子』『わが愛する詩人の伝記』『蜜のあはれ』『われはうたへどもやぶれかぶれ』等。菊池寛賞、読売文学賞、毎日出版文化賞、野間文芸賞など各賞受賞。
1962年死去、享年73。
新書判 並製 240頁