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「茶の湯」 第511号
「茶華道ニュース」 2016年8月1日号
岩田澄子 著
本書は、天目茶碗を日中茶文化の接点となる象徴的な存在として捉え、日中におけるその役割の違いや日中間をどう繋いだのかについて考察し、天目茶碗への新たな視座を提供するものである。
第一章で天目茶碗考察の前提として茶の効用や喫茶法など日中茶文化の背景について考察し、第二章で日中の諸史料を博捜、中国と日本で実際に使われていた碗である天目茶碗の諸相を明らかにする。さらに第三章では「天目茶碗のような」金属製茶碗と「馬蝗絆」について考察した。
内容目次
序 論
第一章 薬用の茶と日中茶文化の歴史
序 説
第一節 薬用の茶と嗜好品の茶
第二節 中国から日本へ請来された三種の喫茶法
第二章 天目茶碗考
第一節 点茶法の茶と天目茶碗
第二節 『君台観左右帳記』からみる天目茶碗の産地と種類
第三節 十六世紀の茶会記に見る天目茶碗の状況
第四節 「天目」の由来再考
第五節 「天目」と「茶わん」の関係
第三章 天目茶碗のような金属製茶碗の調査と馬蝗絆
第一節 平重盛伝来の箱書を持つ内金張り茶碗
第二節 青磁茶碗「馬蝗絆」の語義について
結 論
〔『中葯大辞典』茶樹関連項目日本語訳・日中茶文化略年表・参考文献・あとがき・人名索引・事項索引・文献索引〕
〈著者プロフィール〉岩田澄子(いわたすみこ)
北海道生まれ。共立薬科大学、慶応義塾大学文学部、同大学法学部卒業。2014年武蔵野学院大学大学院博士後期課程修了。博士(国際コミュニケーション学)。武蔵野学院大学日本総合研究所アカデミックフェロー、薬剤師。
竹川竹斎に関する論稿・史料翻刻や、「岡倉天心はなぜ茶の湯を道教にたとえたのか」(『茶の湯文化学』20号、2013年)、共著に、「『君台観左右帳記』にみる天目釉の再現.│禾目天目と二種の油滴天目」(『日本伝統文化学会誌』第1号、2016年刊行予定)などがある。
A5判 上製 約400頁 (カラー口絵8頁)