あの東大紛争から50年。人間の観念の陥穽を鋭く描く、初の本格小説ついに刊行。
左右問わず国民必読の書。
「さわやか福祉推進センター」(現さわやか福祉財団)元局長が放つ、 戦後日本への警世の書。
【内容紹介】
紛争からおよそ20年後、偶然再会した二人の男女は大きく変わっていた。ともに理想社会を目指し挫折しながら、新たな絶対的対象を求め続ける佐伯宙丸。胸の奥深くに堅く何かを秘めている萩野典子。二人の抱く観念が彼らを悲劇の道に走らせる。そしてついに“人間は本当に自らの死を決することができないのか”という問いに答えを出さなければならない瞬間がやってきた。
壮絶な東大紛争の場面や抱腹絶倒の笑いを誘うスナックの光景なども交え、人間の観念の陥穽と尊厳の意味を問う衝撃作。
【著者】
越村 光(こしむら ひかる)
1947年新潟県上越市生まれ。
早稲田大学大学院文学研究科修士課程修了。
開業医師の団体である全国保険医団体連合会調査部を経て「さわやか福祉推進センター」(現さわやか福祉財団)を共同設立。
同センター局長、自営業などを経て、現在広告代理店に勤務。
論文に「1200万人福祉ボランティア確保への挑戦」「抜本是正急がれる高齢者の保険外負担」など
四六判 上製 272ページ