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「茶華道ニュース」2017年2月15日号
「歴史群像」2017年4月号
遠州の“綺麗さび”と前田利常の“大名趣味”。その融和が創り出した13の窓から差し込む光は、茶室内をあたかも舞台のように演出する。
茶室「擁翠亭(ようすいてい)」は、寛永年間(1624~44)、加賀藩主前田利常が、家臣でもあった京の金工師後藤覚乗(勘兵衛)の屋敷に建てた茶室です。
設計したのは、江戸時代前期を代表する茶人、小堀遠州。依頼主と設計者の美学が結実したこの名茶室には、13ある窓の造作をはじめ、他の茶室にはない独自の意匠が随所に見られます。
擁翠亭は明治初年に解体され、部材は数寄屋大工師の許で保管されていました。そして平成15年にその部材が発見され、同27年、京都鷹峯(たかがみね)の地に再建されるのです。
本作は、そんな擁翠亭の全容を撮影したブルーレイディスクです。遠州の「綺麗寂び」の世界を堪能できるのはもちろん、60点を超える資料を駆使した解説により、茶室の部位や構造、擁翠亭の歴史について学ぶことができます。
また、席披(せきびらき)茶会における貴重な映像も収録。「膳所(ぜぜ)光悦」茶碗や前田家伝来の茶道具、そして遠州茶道宗家・小堀宗実家元と陶磁研究家・林屋晴三氏の問答は必見です。
【出演】
遠州茶道宗家十三世家元 小堀宗実
東京国立博物館名誉館員 林屋晴三
(財)京都伝統建築技術協会理事長 中村昌生
MIHO MUSEUM館長 熊倉功夫
茶道資料館副館長 筒井紘一
(出演者はいずれも茶の湯に関する著書多数)
著作:擁翠亭保存会
発売:宮帯出版社