古田織部美術館 編
2018年9月21日~2019年1月15日開催の古田織部美術館の企画展「「へうけもの」織部好みの“対照の美”とは?」の展示資料を基に編集した図録。
【企画展「「へうけもの」織部好みの“対照の美”とは?」概要】
織部の師・利休好みの道具は均整がとれているため、どのような取り合わせでもほぼ調和します。しかし、織部好みの道具は利休に比べ、激しく歪んでいたり、背が高すぎる、もしくは低すぎるなど大変個性的で、取り合わせが難しく見えます。
実はここに織部独特の緻密な計算があり、細くて背の高い茶入には平たく背が低い沓形茶碗を合わせるというように、相反する性質のものを取り合わせることで、それぞれが個性を発揮しつつも、全体として調和するようになっています。それは“対照の美”、すなわち、全く性質の違うもの同士を並べ比べたとき、その違いが際立つ美と呼べるでしょう。
本展では、この取り合わせを再現し、水指・茶入・茶碗を三つ鼎に展示。加えて伝世品がない美濃焼の蓋を茶入に載せたり、大振りな細口の釜に織部形の大きな柄杓を取り合わせるなど(「旧聞録」)して展示いたします。
A4判 10ページ 定価400円+税