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「日本歴史」2023年10月号
「歴史人」2023年7月号
「西日本新聞」2023年7月1日号
信長、秀吉と戦国時代の覇者に仕え、豊臣恩顧でありながら関ヶ原合戦では家康を勝利に導き、八十三歳で大往生するまで、大大名として徳川三代に仕えた細川忠興(三斎)。正室ガラシャは明智光秀の娘で、関ヶ原合戦前に死を選んだ気丈な戦国女性としても知られる。戦国一の短気者として、波乱万丈の世を冷酷無慈悲な行動で一家を護り、晩年もおのれのやりたいことを貫いた。
その一方、父細川幽斎の教養を受け継ぎ、蹴鞠や茶を学び、若い頃より千利休に師事、後世「利休七哲」のひとりにも数えられた。茶風は古田織部のような創意や華麗さは求めず、利休流の古い形を守り伝えた。その人生と茶の湯との関わりを、地元・熊本出身の筆者が詳細に分析、新たな茶人・三斎像を提示する一冊。付録に幽斎・三斎の「茶会一覧」など資料も充実。
[目次]
〈第一章 細川の家 ― 三斎(忠興)の一族〉
父幽斎(藤孝)の家族/三斎(忠興)の家族
〈第二章 三斎(忠興)の生涯〉
山城勝龍寺時代/丹後宮津時代/前小倉時代(藩主時代)/豊前中津時代(隠居時代)/肥後八代時代(最晩年の日々)/三斎の人間像
〈第三章 三斎と茶〉
父幽斎と茶/三斎と茶の湯との出会い/三斎と茶会1/三斎と茶会2/三斎をめぐる茶書/「三斎」号の意味するもの/三斎余光
〈付録〉略年譜/関係地図/茶会一覧/参考文献/人名索引ほか
著者略歴
福原 透(ふくはら・とおる) ― 1959 年、熊本県生まれ。立命館大学大学院歴史学専攻博士課程前期修了。八代市教育文化センター建設準備室、八代市立博物館未来の森ミュージアムの学芸員などを経て、平成25 年、同館副館長。令和元年、退職。専門は肥後の近世文化史(陶磁史・茶道史・絵画史)。東洋陶磁学会、九州芸術学会等共著に『茶道学大系』10 茶の古典(淡交社 1991)、『細川幽斎・忠興のすべて』(新人物往来社 2000)、『新熊本市史』通史編近世Ⅱ(熊本市 2003)などがある。
四六判・上製 ・386頁(カラー口絵8頁)